3.実験結果

3.5 実験のまとめ

実験の結果,ミルククラウンの形成に関して次の特徴が見られた.

  1. 衝突速度を変えた時

    衝突速度を大きくすると,クラウンの高さは高く,直径も大きくなり,クラウンの厚さは薄くなる傾向がある.突起の数も少なくなる傾向が見られる.

    衝突速度が速い時は,クラウン形成の初期段階で,クラウンの側面に筋状の凹凸が見られる.

  2. 液滴が衝突する流体層の深さを変えた時

    流体層の深さが3mm以下の場合は,標準実験とほとんど変わらない.

    5mm以上の場合,現れるクラウンの形状が大きく異なる. この場合に現れる,同心円状の構造の直径および高さは,深さが3mm以下の場合のクラウンに比べて明らかに小さい.突起はクラウンが消滅する前に消滅する.

    深さが3mm以上の場合は,クラウン消滅後に「こけし」が顕著に現れる.

  3. 作業流体の粘性を変えた時

    粘性を極端に大きくすると, クラウンが消滅する直前までは,クラウン上部の突起は形成されない.クラウン上部は外側に大きく反った形となる.この時のクラウンの直径・高さは,標準実験に比べて小さい.

大まかな特徴が得られたので,画像解析を行い,詳しく議論を行う.