2.実験方法 |
2.3 パラメータ ミルククラウンの形成に影響を与えるパラメータとしては,液滴の衝突速度および粒径,液滴が衝突する流体層の深さ,粘性,表面張力等が考えられる. 本実験では,これらのうちから,液滴の衝突速度,流体の深さ,粘性に注目しすることにした.液滴の衝突速度に関しては,液滴を落下させる高さを変える事で ,また,粘性に関しては,使用する流体を変える事により制御した. 具体的な実験方法は,まず,牛乳(粘性〜1.7cSt)を使用し,水滴を落下させる高さ(H)を40cm,流体の深さ(D)を1mmで実験を行い,これを標準実験とする.この実験を基準にそれぞれのパラメータを1つだけ変化させて,そのパラメータに対する依存性を調べた.なお,本実験では,どの条件でも液滴の直径は0.40cmである. 衝突速度を変化させる実験では,流体の深さ,粘性は標準実験と同じで,液滴を落下させる高さだけを,15cm,20cm,40cm(標準実験),80cm,160cmと,約1桁変化させた.(これらの条件をそれぞれH015,H020,H040,H080,H160と呼ぶ.)最小値の15cmは,装置の構造上,滴下部が移動できる下限であり,最大値の160cmは,室内で行える上の限界に近い. 液滴が衝突する流体層の深さを変化させる実験では,粘性,落下高度は標準実験と同じにして,流体の深さだけを 1mm(標準実験),2mm,3mm,5mm,7mm,9mmと,約1桁変化させた.(これらをそれぞれD01,D02,D03,D05,D07,D09と呼ぶ.) なお,流体層は十分広く,液滴の落下に伴う深さの増加は,無視できる. 粘性を変える実験では,使用する流体をグリセリン溶液(2種),食紅溶液,牛乳(標準実験)とした.測定によると,食紅溶液の粘性は1.09cSt,牛乳の粘性は1.72cSt,であった.グリセリン溶液は,濃度を変えて,6.8cSt及び44.0cStのものを用いた.(これらをそれぞれV11,V17,V68,V44と呼ぶ.)食紅溶液と濃いグリセリン溶液では,粘性係数は40倍程度の違いがある . なお,以降は実験条件として,太字で記した略称を用いて記述することにする.(標準実験に関しては,衝突速度を変える実験ではH040,流体層の深さを変える実験ではD01,粘性を変える実験ではV17と,その都度条件名を読み替える.) |
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