2.実験方法

2.2 実験装置

図3 実験装置全景(上)と滴下部(下)

図3(上)は,本実験に使った実験装置の全体写真である.

スタンドに滴下部(写真下)を取り付け,ここから水滴を落下させる.ここには医療用点滴セットを使用し,管を通る流量を細かく調整し, 大きさがほぼ均一の水滴が落下するようした.この液滴の直径はほぼ4mmである.滴下部の先端には,センサーを設置し,タイムカウンター とつなぎ,ここを通ってからの経過時間を計測した.本実験では,この経過時間から,液滴が下に敷いた流体に衝突するまでにかかる時間を引いて,衝突の瞬間をt=0として換算した時刻を用いる.

落下した水滴は,やがて下に置いた受け皿に到達し,ミルククラウンを形成する.受け皿には,流体を一様に満たし, 水滴の落下点付近にタイムカウンターの表示部を置き,流体の変化とタイムカウンターにより計測した時間を, デジタルビデオカメラで同時に記録する.タイムカウンターの表示部は, 大きさの指標としても使えるようにした.カメラからカウンター表示部とクラウンまでの距離の差は小さ いので,視差は無視した.(カメラからクラウンの距離は約2m,カウンターとクラウンの距離は最大で10cmなので,視差は最大でも5%である.)

なお,タイムカウンターについての詳細は,付録Aに示す.