2.実験方法

2.1 撮影方法

図2 Sony TRV900

撮影にはSony DCR-TRV900 (図2) を用いた.最近のデジタルビデオカメラは高速シャッターが切れるものが多く ,このカメラも最高1/10000秒のシャッタースピードで撮影できるので,変化の激しいミルククラウンを止めることが可能である.

しかしながら,使用したデジタルビデオでは高画質モードであるプログレッシブモードを使うと,撮影間隔は66ミリ秒(通常モードでは33ミリ秒)であるのに対して ,ミルククラウンの形成から崩壊にかかる時間は,およそ30ミリ秒であるので,ミルククラウンのめまぐるしい変化を連続的にとらえる事はできず ,一つのミルククラウンの形成から崩壊までの間に一コマの画像を得ることしかできない.

そこで,クラウンの形成の再現性が良いことを利用し,録画しながら次々と液滴を落とし,クラウンを捕らえたコマを後で並べ替えて高速度カメラでとらえたような連続画像を得た. 液滴を滴下させる時間間隔は,液滴の滴下前に,衝突する流体層の水面が静止するように調整した.並べ替えの際の時間の指標とするため,液滴の落下点付近にセンサーを設置し,液滴がここを通過してからの経過時間を,一連の画像の中に写し込んだ.