4.1.2 結果

3.2節のa.の時間発展における時刻$ t=1.0$での場について、$ y$方向の波数1〜6の擾乱に対する線形安定性解析を行った。各波数に対する発達固有値の分布を図2に示す。$ y$方向の波数4,5の擾乱の発達率が特に大きいことが分かる。

図2: 時刻 $ {t=1.00}$での場の線形安定性解析で得られる発達固有値の分布
( 横軸: 擾乱の $ {y}$方向の波数、縦軸: 固有値 $ {\sigma }$の虚部 )
\begin{figure}\includegraphics[trim=40 8 0 20,clip,scale=0.65]{img/evalue-T100.ps}\end{figure}

3,図4は波数4,5の最大とその次の発達率の固有モードの構造を図示したものである。発達率の大きなモードは$ x$が2または3の付近にピークを持つことが分かる。これは時間発展で見られる擾乱の位置に整合的である。このことから、$ t=1.8$以降に現れる$ y$方向の波数4,5の擾乱は、ロール状対流の持つ不安定な固有モードが発達したものであると考えられる。

図3: 時刻 $ t=1.00$での場の、波数4の擾乱に対する固有モード
( 上: $ x$- $ y$断面( $ z=0.5$)、下: $ x$- $ z$断面( $ y=0$) )
\begin{figure}\begin{tabular}{cc}
\includegraphics[trim=50 120 78 220,clip,scale...
... 190 220,clip,scale=0.55]{img/eigen/T100-M08-1-xz.ps}
\end{tabular}
\end{figure}

図4: 時刻 $ t=1.00$での場の、波数5の擾乱に対する固有モード
( 上: $ x$- $ y$断面( $ z=0.5$)、下: $ x$- $ z$断面( $ y=0$) )
\begin{figure}\begin{tabular}{cc}
\includegraphics[trim=50 120 78 220,clip,scale...
... 190 220,clip,scale=0.55]{img/eigen/T100-M10-1-xz.ps}
\end{tabular}
\end{figure}

SAITO Naoaki
2008-03-07