波数4,5が急激に発達し始める時刻において、波数0,1,5以外の成分を全て強制的に0にセットして時間発展を継続した。このときの各成分のエネルギーの時間変化が図24である。これを見ると、波数4が非常に小さくなったため、波数4,5の重ね合わせによる波数1の急激な発達は見られなくなったが、他の波数との相互作用によって波数1成分は緩やかに増大して、最終的には波数1の順圧成分が卓越するようになる(付近)。このように、最終的な波数1の卓越は順圧不安定によるものであり(エネルギー変換の図は省略するが、このとき確かに順圧平均流から順圧波数1への変換が卓越している)、図13で見られた波数4,5の重ね合わせによる急激な増加の寄与は必須のものではない。
SAITO Naoaki