図3-7: 2.27 ≤ c ≤ 2.43 の場合の連続モードの水平構造

図3-7 に, log E=-0.20, 2.27 ≤ c ≤ 2.43 の場合における 典型的な連続モードの構造(左図)と分散曲線上の位置(右図の青丸)を示す. この場合では, 北側境界ケルビン波モード(N.B.K.)的な構造と, 赤道ロスビー波モード(Rossby)的な構造, 赤道ケルビン波モード(K)的な構造が現れる. 図では連続モード(C)の構造を確認することはできない.

図3-7 に示されたモードの臨界緯度は y=0.35 なので 連続モードの構造に対応したジオポテンシャルの振幅のピークが y=0.35 付近に存在するはずであるが, 図3-7 では見出すことは出来ない. 連続モードの構造は, 以下で論じる赤道ロスビー 波モード的な構造, 赤道ケルビン波モード的な構造 に隠されて見えなくなっているのであろう.

y=3.00 付近には, 北側境界に捕捉された北側境界ケルビン波 モード的な構造が現れている. 北側境界ケルビン波モードの位相速度(図3-7 右の分散曲線図に 付記した白三角印)と 図3-7 (左) で示したモードの位相速度は 近い値ではないけれども, 北側境界ケルビン波モードの混入が起こっているようである.

y=1.60 付近に存在するジオポテンシャルの振幅のピークは 赤道ロスビー波モードの構造に対応すると考えられる. その理由は, このモードの分散曲線(図3-7 右)が, 赤道ケルビン波モードの分散曲線と西進 混合ロスビー重力波モードの分散曲線との間に位置しており, 存在している可能性があるモードとしては赤道ロスビー波モードしかないこと, 図3-7 (左)の y=1.60 付近の地衡風的な構造も赤道ロスビー波の構造と 矛盾しないことである.

また, y=0.00 付近には, 赤道ケルビン波モード的な構造が現れている. 図 3-2 でも記述したように, 位相速度の広範囲にわたって連続モードに 赤道ケルビン波モードの構造の混入が起こっている ためであると考えられる.

図3-7: log E=-0.20, k=0.10, c=2.35 の連続モードの水平構造(左図)と分散曲線上の位置 (右図の青丸). 水平構造の図の等値線はジオポテンシャル(φ), ベクトルは速度場(u,v)を表す. 等値線間隔は, 1.20 × 100 である. 右図中の記号の意味については, 表1 を参照のこと.

図3-7: 2.27 ≤ c ≤ 2.43 の場合の連続モードの水平構造