Δ定義 一様等方乱流における低圧力旋回渦の同定と可視化 Q 定義 (2) λ2定義

流れ場の局所的空間構造は、速度勾配テンソル (5) で表現される。 ある空間点の近傍で、その点に相対的な流線がらせん状であるかそうでないかは、 速度勾配テンソルが複素固有値をもつか否かで判定される。 すなわち、速度勾配テンソルの第2不変量を Q、行列式を R として、

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が正のとき流線はらせん状、負のとき放射状になる [12, 13]。 Δ>0 を渦領域とするのが Δ  定義である。

図9 は、  Δの等値面を、しきい値の大きい方から 小さい方へ変化させて渦軸と比較したアニメーションである。 前節の Q と似た挙動を示すが、Q の等値面に比べて表面の凹凸が大きく 目立っている。 これは、   Δが速度勾配テンソルの6次の関数であり、空間的な 値の変動が大きくなっているためである。 このアニメーションから分かるように、  Δ = 0 の等値面は、 前節の Q = 0 と同じように、広く空間を覆ってしまうため、 渦構造の解析には不向きである。

Δ定義は、流線のらせん状構造を速度勾配テンソルの固有値が複素数である という条件で判定しているという点で、我々の断面旋回条件 (4) と類似している。 しかし、3次元空間でのらせん条件(  Δ定義)と2次元面内での 条件(断面旋回条件)は互いに独立なものである。

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図9: Δ の等値面でしきい値を漸減させたアニメーション (movie: AVI/ QuickTime)


Δ定義 一様等方乱流における低圧力旋回渦の同定と可視化 Q 定義 (2) λ2定義