2. 理論 |
2.1 コンターダイナミクスとは
2.2 コンターダイナミクスの定式化
2.3 楕円渦の理論
2.4 流体塊の変形に関する有限時間リアプノフ解析
2.2 コンターダイナミクスの定式化
Dritschel(1989)
をもとに、 コンターダイナミクスの基本をまとめておく。渦度の分布 Q (x,y,t ) から流線関数 ψ(x,y,t ) を求めるには、
(2.3)
を解けばよい。これはポアッソン方程式で、一般解はグリーン関数を用いて
(2.4)
で与えられる。ただし
(2.5)
2次元の無限平面の場合、グリーン関数は G (r ) = ( log r )/ 2π なので、
(2.6)
である。速度 (u,v ) は次のようになる。
(2.7)
式(2.7)で、ηで部分積分をおこなうと、
(2.8)
右辺第2項の積分の中身はコンター上でのみ値をもち、ηで積分した値は 渦度のジャンプ q ( j ) と等しい。 q ( j ) を、コンター Cj を内側に横切ったときの 渦度ジャンプとし、線積分を反時計回りにすると、
(2.9)
となる。v についても以上のことを同様におこなって、
(2.10)
これらをまとめると、
(2.11)
となる。つまり、コンターの位置 { x ( j ) } がすべてわかれば、 この式より任意の点の速度が求められる。 コンター上での速度も求められるので、それでコンターを移流させることにより、 コンターの時間発展を求めることができる。
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