もう1つの方法は、モアレを用いて内部重力波を可視化するものである。この方法は成層流体中を水平に進む光が、密度勾配と反対方向に屈折することを利用したもので、シュリーレン法などに比べて格段に手軽に可視化することができる。
この方法では、通常、内部重力波の密度擾乱によって変形した縞模様と変形していない縞模様とを重ねることで、内部重力波のパターンをモアレ縞として得る6)が、今回の実験の場合水槽が円筒形なので、この方法をそのまま適用すると、水槽の曲率を可視化してしまう。そこで、本実験ではリアルタイムの可視化をあきらめ、内部重力波によって変形した縞模様だけを用いて時間的に位相が180度ずれた画像をコンピュータ上で重ね合わせることでモアレ縞をえた。