結果 (2) 回転系における対流のレジームの遷移と水平スケール:2次元数値計算 結果 (1) 結果 (3)

Ta に対する依存性をみるために, 図4 に流線関数の変化するようすを示す.  セル数の変化に注目してみると, Ra = 104 のときには, Ta が大きくなるほどセルスケールは小さくなる傾向にある. また, Ta ≧ 105 で対流が存在しなくなっている. これらの実験は, 中立曲線より下側のパラメター領域にあり, 線形論の予想に合致する. Ra = 107 のときには, Ta ≦ 105 セルが上下で非対称になっていることが注目される (セルが平行四辺形). この平行四辺形は時間的に左右に振動している (例えば 補遺C に示した

Ra = 107, Ta = 103実験 を参照). セルスケールは Ta = 100 から 101 にかけていったん小さくなり, 再度 Ta = 104 で大きくなる. しかし, Ta = 105, 106 では極端に小さくなる. Ta = 107 のときは 中立曲線よりも下側のため対流は生じていない. Ra = 106 のときには, Ta ≦ 104 までは Ra = 105 のときと同様にセルスケールが大きくなるが, それを越えるとセルスケールは小さくなる. セルは Ta = 106 で乱流的となり, Ta = 107 では非常に多くのセルが存在する. Ra = 107 のときには, Ta  ≦ 105 まではセルスケールはほとんど変わらないが, セルが斜めに傾いている. これらのセルは時間的に左右に振動している. この場合も, いったん Ta = 106 では乱流的になり, Ta = 107 では非常に多くのセルが存在する.

図4

図4. テイラー数に対する流線関数の変化. 下から, Ra = 104 , 105, 106, 107 である.


結果 (2) 回転系における対流のレジームの遷移と水平スケール:2次元数値計算 結果 (1) 結果 (3)