同様に y 方向の流れ v が変化するようすを 図5 に示す. まず, レイリー数に関わらず, いずれも Ta = 0 のときには流れ v は存在しない. Ra = 104のときには, 対流の上下で逆向きの流れが生じていることがわかる. 両端の流れが大きい場所では上下方向の流れの逆転はないが, これらは境界の影響を受けており, 例外的な性質をもっているものと考えられる. 一方, Ra = 105 のときには, セル数が多い場合の Ta = 105, 106 において 上下の流れの向きは逆になっているが, Ta ≦ 104 までは 上下方向で同じ向きになっている. このとき, v の大きさが極大になるのは, 上昇流域下層の近傍である. Ra = 106 のときも同様に Ta = 107 において上下の流れの向きは逆になっているが, Ta ≦ 105 までは 上下方向で流れの向きは同じで, 下層の方が流れが大きくなっている. 最後に, Ra = 107 の場合, 右回りのセルと左回りのセルが上昇流域の中央位置を 中心として点対称的な分布になっている. Ta ≧ 106 では乱流的であるが, Ta = 107 では上下で逆向きの流れになっている. 同様に温度分布は 図6 に示した.
図5. y 方向の流速分布. 下から, Ra = 104 , 105, 106, 107 である.図6. 温度分布. 下から, Ra = 104 , 105, 106, 107 である.