粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察

主要な結果 3・・・動摩擦係数

 ここで、滑走中盤の滑走状態B(図9)が存在するものについて、その部分の動摩擦係数を求めた。その動摩擦係数と円盤の底面圧力(単位底面積あたり重さ)との関係を示したものが図10である。ただし、滑走状態Bと滑走状態Cの区別が不明瞭である軽い円盤(底面圧力が540Pa未満のもの)のデータは除いてある。また、比較の為に小麦粉を散布しない状態で滑走させた場合の動摩擦係数も共に示した。

滑走板上に何も敷かない場合の円盤の動摩擦係数は、円盤の底面圧力に依存せずほぼ一定(0.35〜0.4)である。

一方、小麦粉を敷き詰めた場合には、ばらつきはあるもののそれより低い値(0.11〜0.28)となることがわかる。

 図9 円盤の速度と射出からの経過時間の関係。点滅する範囲が、動摩擦係数を求める為に用いた部分である。


図10
動摩擦係数と円盤の底面圧力(単位底面積あたりの重さ)の関係。
:小麦粉層上での滑走中盤の速度変化が一定する範囲の動摩擦係数
:滑走板上に何も敷かない場合の動摩擦係数

粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察