粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察

主要な結果 2・・・円盤の速度変化

円盤を小麦粉層上を滑走させた際の、円盤の速度の時間変化の一例を図7に示した。

これを小麦粉を敷かずに滑走させた場合(図8)と比較すると、小麦粉を敷かない場合には速度変化が一定、すなわち動摩擦係数が一定であるのに対して、小麦粉を敷いた場合、円盤の速度変化は一定していないことが分かる。おおまかな傾向として、

  1. 発射直後に認められる速度変化の割合が一定しない段階
  2. 滑走中盤に認められる速度変化が比較的低い値で一定する段階
  3. 停止直前に認められる速度変化が比較的高い値で一定する段階

の3段階に区別でき、主要な結果 1に示した滑走痕の変化にほぼ一致する。よって以降では、速度変化の段階的変化と滑走痕の変化を併せて、滑走状態A、B、Cと呼ぶ。


 図7 小麦粉層上を滑走させた場合の円盤の速度変化の一例。横軸は射出からの経過時間、縦軸は円盤の速度。


 図8 直接滑走板上を滑走させた場合の円盤の速度変化の一例。横軸は射出からの経過時間、縦軸は円盤の速度。

尚、円盤の速度の時間変化が計測出来たものに関しては、すべて付録 5に収録してある。


粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察