粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察

主要な結果 5・・・小麦粉層中の剪断運動の可視化

図13のように小麦粉層中に着色した片栗粉の「線」をつくり、滑走後、麦粉層を切り分け断面を観察したものが図14である。図14c は円盤の滑走した範囲外であるが、そこでは滑走の影響が認められなかった。したがって、滑走前の状態を表していると考えてよい。

定性的には、円盤の中心にあるものほど、剪断運動が大きいことがわかる。また、上部ほど移動量が大きいことが認められる。

ただし、今回のような小麦粉層を切り分ける方法では、切断時に、着色した粉がずれ、本来存在しない部分に付着してしまうため、正確な観察が出来なかった。

 
 図13 着色した片栗粉でつくられた線の上を円盤が通過した後の軌跡と、軌跡に対する図14の断面の位置。
a
b
c
図14 直径140mmの円盤の滑走した軌跡が残っている範囲の中心(a)、軌跡の端と中心の中間の位置(b)、および滑走範囲外(c)での小麦粉層の断面の拡大映像。ただし各断面の高さはそれぞれ違い、拡大倍率を変えることにより、画像の高さをそろえている。また、画像を加工し着色された粉が存在している部分を強調した。

粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察