5. サーマルの内部機構
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図−21(a) 濃度コンター,流速ベクトル図(Ds=0.04mm,5s) |
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図−21(b) 濃度コンター,流速ベクトル図(Ds=0.04mm,10s) |
図−21(a),21(b)は,福嶋ら(1999)の硫酸バリウムを用いたサーマルの実験(θ = 10°)の数値計算結果(粒径Ds = 0.04mm ,t = 5s,10s )の等濃度線(濃度コンター)と流速ベクトル図を重ねて描いたものである.サーマルはほぼ半楕円形に近い形状をしている.流速ベクトルはサーマル下部で流下方向へ向き,前部で流下方向上向きの巻き上げ流れ,サーマルの上部で流下方向と逆向き,サーマル後部では流下方向下向きのベクトルがあることを示し,全体としてサーマルを覆う循環流を形成している.循環流の中心はサーマル上部でやや後部にある.また流速ベクトルは時間の経過とともにわずかに減少している.サーマル濃度はt = 10s 後では粒子の沈降性のため,急激に減少しているのがわかる.等濃度線を見ると,サーマルの後方で尾を引いたような形状を成している
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図−22(a) 濃度コンター,流速ベクトル図(saline,5s) |
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図−22(b) 濃度コンター,流速ベクトル図(saline,10s) |
図−22(a),22(b)は,福嶋ら(1999)の硫酸バリウムを用いたサーマルの実験(θ = 10°)の数値計算結果(saline,t = 5s,10s )の等濃度線(濃度コンター)と流速ベクトル図を重ねて描いたものである.図−21と同様に,サーマルはほぼ半楕円形に近い形状をしており,流速ベクトルは全体としてサーマルを覆う循環流を形成している.保存性サーマルであるため,t = 10s 後でのサーマル形状は図−21(b)と比べて比較的大きく,濃度もまた大きい.