初期循環の弱いでは、フィッティ ングは意味をなさなくなる。 これは において見られた線形過程( の成長)を経ず、 秩序渦が乱流場からの作用を計算直後から受け るためである。その結果 は図8にある 様なガウス型の分布を取ることができず、秩序渦の大規模構造も崩壊してしまい、 フィラメントと分けることが難しくなり、半径の見積りができなくなる。
図10は、式(6)でのフィッティングで得た循環 の時間変化であり、 初期値で規格化してある。 循環においてまでは 保存しているが、それ以降は減少をはじめ、では全 体の10%程度減っている。
この減少は第3節で確認したように秩序渦同士の影響から来るもので はなく、微細渦構造が図1の秩序渦配置によって影響を受け たものと考えられる。秩序渦に挟まれた計算領域 における渦構造の様子を見たものを図11に示す。 図11(a)では中心部に微細渦構造が一文字になって引っぱられ ている様子がとらえられている。この様な渦が鉛直方向に散見されることが図 11(b)よりわかる。 これは秩序渦の微細渦活性化が計算の境界にまで及んで 構造変化を引き起こし、秩序渦への意図しない影響を与えたため、循環 が減少したものと思われる。一方での変化が急激なのは、 秩序渦の崩壊が急激に起こったためと考えられる。