2.1 模型と計測系
実験は航空宇宙技術研究所小型低乱風洞(0.55m×0.65m)で行った.模型は,翼の付着線近傍領域を模擬した(図1b),フェアリングつきの後退円柱模型を用いた.模型の諸元は図3に示す.また各記号は付録Aで説明する. 付着線からの周方向の角度θ=10゜の位置に直径0.5mmの孔を設け,そこから模型内側に取り付けた励起スピーカによって単一周波数f の撹乱を導入した(図3).撹乱の発達は,三次元(θ,y,z)トラバースに取り付けたI型熱線プローブ(直径5μm,長さ1mm)と定温度型風速計によって計測された(図3).アナログ的に線形化された風速計出力は,10 kHzでA/D変換(16bit)し,1点につき約13秒間のデータを取得した.なお,プローブはθ=25゜で最大感度を持つ角度に取り付けした.図3: 実験装置(単位:mm).