図3-3: 3.70 ≤ c ≤ 4.27 の場合の連続モードの水平構造

図3-3 に, log E=-0.20, 3.70 ≤ c ≤ 4.27 の場合における 典型的な連続モードの構造(左図)と分散曲線上の位置(右図の青丸)を示す. この場合では, 北側境界ケルビン波モード(N.B.K.)的な構造と, 連続モード(C)の構造, 赤道ケルビン波モード(K)的な構造が明瞭に現れる.

図3-3 に示されたモードの臨界緯度は y=2.03 であり, y=2.10 付近に存在するジオポテンシャルの振幅のピークは 連続モードの構造に対応したものであると考えられる.

y=3.00 付近に存在するジオポテンシャルの振幅のピークは 北側境界ケルビン波モードの構造に対応すると考えられる. その理由は, 北側境界ケルビン波モードの位相速度も 4 程度であり (図3-3 右の分散曲線図に付記した白三角印) 分散曲線図上において近い場所に位置していること, 北側境界に補足された構造が境界ケルビン波の特徴を 持っていることである.

y=0.00 付近では, 図3-2 よりも明瞭に赤道ケルビン波的な構造が現れている. 図3-2 で述べたように, 連続モードと共鳴を起こした赤道ケルビン波モードの構造が, 周囲の連続モードに混ざって現れているのだと推測される.

やはり, 図3-2 で述べたように, 上記のモード以外にも, 東進混合ロスビー重力波モード と東進慣性重力波モードの構造も混入している可能性もあるけれども, それらの混入が図3-3 (左)で発生しているかどうかの 判定はできない.

図3-3: log E=-0.20, k=0.10, c=4.03 の連続モードの水平構造(左図)と分散曲線上の位置 (右図の青丸). 水平構造の図の等値線はジオポテンシャル(φ), ベクトルは速度場(u,v)を表す. 等値線間隔は, 1.20 × 10-1 である. 右図中の記号の意味については, 表1 を参照のこと.

図3-3: 3.70 ≤ c ≤ 4.27 の場合の連続モードの水平構造