図3-4: c=3.65 の位相速度を持つ不安定モードの水平構造

図3-4 に, log E=-0.20, c=3.65 の場合における不安定モード の構造(左図)と分散曲線上の位置(右図の青丸)を示す. この場合では, 北側境界ケルビン波モード(N.B.K.)的な構造と不安定モードの構造(赤道ケル ビン波モードの構造と連続モードの構造が同化した構造)が現れる.

図3-4 に示されたモードの臨界緯度は y=1.65 であり, y=1.70 付近に存在する等値線のゆがみは, 共鳴を起こす前の元の連続モードの構造に対応したものであると考えられる (同じ位相速度を持つ減衰モードにも同様のゆがみが見られる. 図は示さない).

y=0.00 付近に存在するジオポテンシャルの振幅のピークは 共鳴を起こす前の元の赤道ケルビン波モードの構造に対応したものである. これら赤道ケルビン波モードと連続モードが共鳴を起こして (cf. TI2006)不安定モードの構造を形成している.

y=3.00 付近に存在するジオポテンシャルの振幅のピークは 北側境界ケルビン波モードに対応すると考えられる. その理由は, 北側境界ケルビン波モードの位相速度も 4 程度であり (図3-4 右の分散曲線図に付記した白三角印) 分散曲線図上において近い場所に位置していること, 北側境界に補足された構造が境界ケルビン波の特徴を 持っていることである.

図3-4: log E=-0.20, k=0.10, c=3.65 の不安定モードの水平構造(左図)と分散曲線上の位置 (右図の青丸). 水平構造の図の等値線はジオポテンシャル(φ), ベクトルは速度場(u,v)を表す. 等値線間隔は, 2.00 × 10-1 である. 右図中の記号の意味については, 表1 を参照のこと.

図3-4: c=3.65 の位相速度を持つ不安定モードの水平構造