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の場合
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4
の場合
3.3
の場合
アニメーションは
こちら
頃から
付近でセル状対流とそれに付随する傾いたロール状対流が発達して平均流に移流され(図
8
)、
以降には
付近で逆方向に移流されるセル状対流と傾いたロール状対流が発達する(図
9
)。セル状対流の
方向波数はおよそ
である。また、平均流のシアは強化される。
平均流の最速域(
近辺)で波形のセル状対流が互いに逆方向に移流され、その間の領域で傾いたロール状対流が分離・結合を繰り返しており、これはHathaway & Somerville(1987)[
2
]の結果と整合的である。
図8:
の場合の時間発展の様子(
)
図9:
の場合の時間発展の様子(
)
左上:
での温度場(
-
断面)
右上:鉛直平均場(順圧成分)に対する流線関数(
-
面)
左下:
での温度場(
-
断面)
右下:
,
方向に平均したシア流速
流速
の
方向波数
成分の時間変化を片対数グラフで表したのが図
10
である。点線の傾きは次節の線形安定性解析で求まる波数
の固有モードの最大発達率であり、
〜
頃の時間変化の傾きと一致している。よって、波数
のセル状対流と付随する傾いたロール状対流は固有モードが発達したものと考えられる(線形安定性解析については次章で述べる)。
また、流速
の帯状(
方向波数0,または
平均)成分の初期場からの偏差(すなわち平均流の加速)の時間変化を片対数グラフで示したのが図
11
である。次節の線形安定性解析の結果、波数
の固有モードの発達率が特に大きく、点線の傾きはそれらの最大発達率の2倍を示している。これらが
〜
頃の時間変化の傾きと一致していることから、平均流の加速は固有モードの二次効果によって起こっていると考えられる(二次効果による加速については第
5
章で考察する)。
図10:
の場合の流速
の
方向波数
成分の時間変化(
赤線
)。
軸: 対数目盛。
点線
の傾きは波数
の固有モードの最大発達率。
図11:
の場合の流速
の帯状成分の初期場からの偏差の時間変化(
赤線
)。
軸: 対数目盛。点線の傾きは波数
の固有モードの最大発達率の2倍。
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SAITO Naoaki
2009-07-09