図20や図17のようにロール状対流の軸は方向に凸になっているが、流速場の構造を調べるとロール状対流の軸はさらに傾いた回転軸の方向に沿うように傾いていることが分かる。まず、図37と図38はロール状対流の流速場を上から順に切った水平断面である。鉛直流速(色)に注目すると、上に行くほどロールがの正方向にずれていることが分かる。さらに、図39と図40はロール状対流の流速場の-断面である3。これを見てもやはり、の正方向に行くにつれてロールの中心が上向きにずれる様子が分かる。このロール状対流の軸の傾きは、テイラー・プラウドマンの効果によって運動が系の回転軸の方向に2次元的になろうとするためと考えられる。
図37と図38を見比べるとロールの軸の傾きに大きく差があるように見えるが、図39と図40を見る限りではロールの軸の傾きに大差は見られない。これは、の場合の方がロールの流速の強さが中心()に局在しているため、水平断面図ではロールの端が目立たないからである。の場合はの場合よりさらに回転が速いのでテイラー・プラウドマンの効果が一層強くなり、ロールの流速も軸方向に揃おうとするため、水平断面図でロールがより長く見えている。すなわち、ロールの軸の傾き自体はの場合との場合ではほとんど変わらない。
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SAITO Naoaki