座談会「流体力学の基礎教育」

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講義の内容と方法

カリキュラム
並びに
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将来

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〔辻〕:先ほど山田先生のおっしゃったことと重複するんですけれども, 完全流体から行くか, 連続体力学から行くかでない行き方があります. まず間違いないと思うんですが, 全国の機械系の学科のほとんどでは, 一次元のいわゆる水力学といいますか, そういうものがまず柱にあるんですね. 機械とか土木系というのは, 一次元の水力学から完全流体に入って粘性流体に行くというのが, オーソドックスな方法なんですね. だから, そういう意味では, 三つの柱があると思うんです.
 さて, そこで, 私の所属している大阪大学工学部の機械系ではどういう体系になっているかということを紹介しますと, 2 年生の前期に実質は一次元の水力学なんですが, 名前は輸送現象論 1 というやつをやるんです. 2 年生の後期に連続体力学が入りまして, 3 年生の前期に完全流体が入ります. それから, 3 年生の後期に粘性流体が入るんですね. 4 年生の前期に流体機械. そういう構成で講義が構成されています. 2 年生後期の連続体力学までは機械系と材料系の学生が共通に受けます. カリキュラムの改正の議論は, 何年かに 1 回, 必ずやっております. 数年前, 完全流体から入るか, 連続体力学から入るかという議論があって, けんけんがくがくの末, 連続体力学からはじめるべしという答申を出したことがあったんですよ. 学科の会議で諮りますと, 猛烈な反対がありまして, やはり一次元の水力学は絶対に必要だと. 現在先端的な研究をしている若手を含めた教官から, あれで (一次水力学) 自分は流体を感覚的につかんだという意見が少なからず出ていたというのが印象的でしたね.
 大学院は, 各先生方が自分の専門に近いことを講義風にアレンジしている, そういう状態です. 以上が大阪大学工学部機械の状況です.


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