自由液面解析コード
の開発
  1. 研究の目的
  2. コードの概要
    1. 主な特徴
    2. VOF法
    3. 体積の補正
    4. 液面境界条件
    5. 計算の流れ
  3. コードの検証
  4. 解析結果ムービー
  5. まとめ

2.コードの概要 a.主な特徴

2.コードの概要
b.VOF法

2.コードの概要 c.体積の補正
 

 

VOF法の原型はHirtら[4]によって開発され、その考え方を利用してさまざま液面解析コードが開発されている。
 VOFでは以下の手順で液面の移動を解析する。

  1. 各計算格子を液体充填率F(0から1の間の値をとる)及び周囲のセルの状況により、上図に示すように、気体、共存、液体、境界セルに分類する。
  2. 共存セル内の液体位置を(液体と気体の境界面がいずれかの座標軸に垂直になるように)決定する。
  3. 各計算セルのF値を運動方程式等で計算された流速場に従って移流させる。
  4. 時間を進めて計算を繰り返す。

 自由液面解析コードは以下に示す目的に従い、VOF法をベースに独自の工夫を盛り込んだ液面解析法を採用している。

  •  最終的には長時間の大規模な三次元の液面解析を行うため、流体体積の変動をできる限り小さくし、長時間の計算を安定して行えるようにすること。
  •  表面張力の異なる流体の解析が行えるようにすること。

 本コードの液面解析法の具体的な特徴は以下の通り。

  1. 流体体積の補正を自動的に行う仕組みを考案し採用したこと。
  2. 液面での応力境界条件を適切に設定したこと。
  3. 共存セル内の液面方向の決定法に若干の工夫を行ったこと。

1.流体体積の補正は、他のVOF法コードにない液面の取り扱いに関する特徴であるため以下に詳述する。2.の応力境界条件について図を用いて説明する。また、3.の液面方向の決定法は細かい点ではあるが簡単に説明する。

2.コードの概要 a.主な特徴 2.コードの概要 c.体積の補正