VOF法の原型はHirtら[4]によって開発され、その考え方を利用してさまざま液面解析コードが開発されている。
VOFでは以下の手順で液面の移動を解析する。
- 各計算格子を液体充填率F(0から1の間の値をとる)及び周囲のセルの状況により、上図に示すように、気体、共存、液体、境界セルに分類する。
- 共存セル内の液体位置を(液体と気体の境界面がいずれかの座標軸に垂直になるように)決定する。
- 各計算セルのF値を運動方程式等で計算された流速場に従って移流させる。
- 時間を進めて計算を繰り返す。
自由液面解析コードは以下に示す目的に従い、VOF法をベースに独自の工夫を盛り込んだ液面解析法を採用している。
- 最終的には長時間の大規模な三次元の液面解析を行うため、流体体積の変動をできる限り小さくし、長時間の計算を安定して行えるようにすること。
- 表面張力の異なる流体の解析が行えるようにすること。
本コードの液面解析法の具体的な特徴は以下の通り。
- 流体体積の補正を自動的に行う仕組みを考案し採用したこと。
- 液面での応力境界条件を適切に設定したこと。
- 共存セル内の液面方向の決定法に若干の工夫を行ったこと。
1.流体体積の補正は、他のVOF法コードにない液面の取り扱いに関する特徴であるため以下に詳述する。2.の応力境界条件について図を用いて説明する。また、3.の液面方向の決定法は細かい点ではあるが簡単に説明する。 |