粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察

比較実験の結果 3・・・円盤底面の状態の違いについて(1)

円盤底面の状態が動摩擦係数に与える影響を調べるために、円盤底面の状態を磨いた金属表面に変えて実験を行った。

まず、小麦粉を用いた場合について述べる。この場合、底面にスプレー糊で小麦粉を貼り付けた時の滑走に比べると、極端に走行距離が短く、急激に停止する(動画 7)。

速度変化に関しては、主要な結果 2で示したような段階的な変化は認められず、むしろ速度が時間に対して指数関数的に減速しているような傾向が認められた(図18)。

また、この場合のm*は1.24〜1.53であり、粉体層なしで滑走させた場合の動摩擦係数よりも大きい。


動画
7 小麦粉層上で底面が滑らかな金属表面の円盤を用いた滑走の一例。


 図18
底面が滑らかな金属表面である円盤を小麦粉層上を滑走させた場合の速度変化の一例。横軸は射出からの経過時間、縦軸は円盤の速度。

粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察