粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察

比較実験の結果 3・・・円盤底面の状態の違いについて(2)

次に、粉体として片栗粉を用いて、底面状態の違いを比較した。この場合主要な結果 2で示したような段階的な速度変化をするものとしないものがあり、この条件における典型的な速度変化というものは認められなかった。

段階的な変化が認められるものついて、mBは 0.06 および 0.11であり、動摩擦係数に関しては円盤底面の状態による大きな違いは認められなかった(図19)。

粉体としてケイ砂を用いた場合は、比較実験の結果 1 と同様、円盤が粉を激しく巻き上げるため、滑走中の速度変化を詳しく調べることができなかった。m*は0.61 〜0.73であった(図20)。


 19 動摩擦係数と円盤の底面圧力(単位底面積あたりの重さ)の関係。
:片栗粉層上で円盤底面が磨いた金属表面の場合(
mB
:片栗粉層上で円盤底面にスプレー糊で片栗粉を貼り付けた場合(
mB
:(参考)小麦粉層で円盤底面にスプレー糊で片栗粉を貼り付けた場合(
mB

 20 動摩擦係数と円盤の底面圧力(単位底面積あたりの重さ)の関係。
:ケイ砂層上で円盤底面が磨いた金属表面の場合(m*
:ケイ砂層上で円盤底面にスプレー糊でケイ砂を貼り付けた場合の動摩擦係数(m*
:(参考)小麦粉層を用いた場合(
mB
:(参考)粉体層なしの場合

粉体層上の動摩擦係数測定実験とその流体力学的考察