このシナリオを確かめるために, 先の境界層理論をもとにして理論的に水平速度を見積もり, レイリー数に対して uh と u,u' の大小関係を調べてみる.
鉛直対流としての水平速度は境界層理論により与えられる. プレートの外側で形成される流れの x 方向の 速度の大きさ u は,
プレートの下での水平速度 u' を見積もるには, (10)において (8) の Ra' を用いればよい. プレートがない場合および全表面をプレート覆った場合の 数値計算の結果 と比較した結果, 実際に (10) を用いて流速を見積もる際には
(10) で割った値を用いることにする.
プレートによって形成される水平方向の温度差が引き起こす流れ uh は 定常状態の運動方程式を満たしているとする.
(11)を z で微分して
(11) を用いると
温度差
(12) は
とし, (5), (9) を用いてレイリー数の関数としてあらわす. 対流セルの鉛直方向のスケールを Lz=1, 水平方向のスケールを Lx とすると,
この式を用いて数値的に値を求めるときには, 温度場と流線関数が
(13) の形で表されることを考慮して
で割った値を用いる.